2012年9月2日日曜日

[サークル活動] 初めての活動、大徳寺(京都)(2012/09/02)

3人の男は朝10時にホテル前のバス停に集合した。

そしてバスに乗り河原町三条に行った。
三条大橋まで歩き、スタバでモーニングをとった。

iPadを駆使し、枯山水について調べては興奮して雄叫びに近い声を漏らしていた。

スタバでモーニングをとったとは言ったが、実際は空腹の胃にコーヒーを流し込んだだけだった。

スタバを出た3人は昼食を決めるためにじゃんけんをした。
蕎麦か、とんかつか、イタリアンビュッフェか。
イタリアンビュッフェに決まった。
横に清らかな川が流れる最高のテラス席だった。
この店は、オービーだった。
つまり、オールビュッフェだった。

テラス席が最高過ぎたのと、ガラスの向こう側の店内席に若い女性が居たのが原因で3人は長居をしてしまった。
今日はずっとここに居てもいいぞ、と思っている者も実は居た。

「とは言いましても、実は、これは、白紙でして・・・」

前日の結婚披露宴二次会での新郎のカッコ良すぎる演出を真似るも者が続出した。
しかし、誰一人格好つくものはいなかった。

3人は重い腰を上げた。
目的地が決まったのだ。
彼らはタクシーに乗り込み、「大徳寺」を目指した。

大徳寺に到着した3人はまず、龍源院(りょうげんいん)を目指した。
龍源院に入った彼らは、声を失った。

大徳寺 龍源院の枯山水

そこには、疑いの余地もなく、宇宙があった。

角を曲がるたびに漏れる溜息。
日本人が作った、日本人の身長でしか味わえない絶妙な庭設計。
腰掛ければ、また一味違う宇宙。

縁に立てば、空生かし。
数歩下がって、空切り。
座を組めば再び、空生かし。

数百年前の誰かが創造したものを、数百年たった今の日本人が観る。
誰かの頭中にあった宇宙が、庭という宇宙の形で残されている。

風流。

風流。。。

フーーリューーー。

大徳寺に到着してまだ10分。
残り時間はもう20分しか残されてなかった。
宮崎へ帰らなければならない男の飛行機の時間が迫っていた。

大徳寺でもう一つ見ておきたいものがあった。高桐院(こうとういん)だ。
秋の紅葉の季節になると、敷石の参道は散り紅葉によるレッドカーペットになる。その美しさはあまりにも有名だという。

この時は生憎、残暑の時期だった。
しかしそこは名勝。
やはりどの季節でも魅せてくれる。

門で切り取られた、まるで竹林の絵画。
門を抜けると永遠の広がりを思わせる竹林の濃淡。
そして、見事な苔の中に伸びる敷石の参道・・・。

しかし、既に3人に残された時間は無かった。
高桐院には入らずに、この日は大徳寺を後にした。。。必ずまた高桐院に来ることを誓いながら。

もうすぐ宮崎への飛行機が出る。
タクシーを捕まえて京都駅まで飛ばしてもらう。
京都駅から伊丹空港まではシャトルバスが運行されている。
次は苔寺(西芳寺)に行く事を約束し、宮崎の男はフライトにギリギリ間に合う最後のシャトルバスになんとか乗車することができた。男は安堵していた。

しかし、この時男は大きなミスを犯していた。
本当に行くべき空港は。。。関空だったのだ。
庭という宇宙はこれほど人間の思考回路に影響を与えるものなのだと感じた瞬間だった。

こうしてサークルとしての初めての活動は終わった。

宮崎の男は、帰宅後すぐに苔寺の予約の手配をしたのだった。
(※苔寺は往復はがきによる予約が必要。常に約1ヶ月待ち。)


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