2012年9月30日日曜日

[個人活動 9/29]徳川園(愛知県名古屋市)を愛でた

名古屋で朝まで飲んでいましたので、そのままどこか愛でて帰ろうかと思いまして調べてみました所、名古屋には「徳川園」たる素晴らしい庭園があることを知ったのです。

名古屋城本丸の東約3kmの地にある徳川園は、徳川御三家筆頭である尾張藩第二藩主光友が、元禄8年(1695年)に自らの隠居所として大曽根屋敷を造営したことを起源としている。

当時の敷地は約13万坪wwwwwwwの広大さで、庭園内の泉水には16挺立wwwwwwwwwwwwの舟を浮かべたと言われている。


徳川園の魅力は、矢田川の河岸段丘を生かした高低差の大きな地形、既存のまま取り入れた樹林、立体的に迫る大きな岩組みが特徴で、変化に富んだ景観を大胆に切り替える構成を用いて大名庭園の「荘厳さ」を大観できるようになっている。
新緑や紅葉、牡丹や花菖蒲の花々など四季を通じて楽しめる庭となっている。


まずは徳川園がある敷地への入り口(徳川園の入り口ではない)

入場する前からこの素晴らしい雰囲気

ついに徳川園の入り口あたり

黒門口から入場し(他にも大曽根口という入場口がある。それほどに広いのだ)、すぐに現れた絶景ポイント。わかるだろうか。ここは滝(龍門の滝)の上になっている。奥には龍仙湖(りゅうせんこ)が広がっているのがわかる。まるでディズニーかUSJにでも来たのかと錯覚してしまっていた。。

なんか好き。こうゆうの!

立体交差。高低差生かしすぎて鼻血が出そうでした。



苔好きにはいろんな所に苔があって楽しいです。
私はコレを見て第発明の種をゲットしました。
直ちにコケ栽培セットの開発に取り掛かりたいと思ひます。

鯉がくっきり見えます。
こんなにキレイな水の池泉回遊式庭園は初めてです。
さすが、2つの大きな滝(龍門の滝、大曽根の滝)から大量の水が流れ込んでいるだけあります。
鯉の他の庭園にいるものと比べ、生き生きしています。 


この壮大な景観。海に見立てているだけあります。広いです。



パノラマで撮っています。しかし広々感が全く伝わりません。残念。


水面ギリギリの飛石。石の大きさ。スケールが違いますね。



道の側溝。オシャレです。石の利用を存分に楽しんでします。



高い位置にある茶室(瑞龍亭)の前からの景色。
龍仙湖が望めます。龍仙湖奥の、西湖堤も望めます。(写真には写っておりませんが)



色付いてきました。(2012/9/29撮影)



外国人の方が日本庭園にいる風景が好きなんです。より日本を感じます。



この高低差。この辺りは様々な種の鳥がチュンチュンないておりました。



四睡庵(休み処)の横の飛石とタマリュウ。
苔の次に好きなモノは、実はタマリュウなんです。
自分で栽培もしていました。



大曽根の滝の少し手前で記念撮影。cameraのタイマー機能があることに漸く気付く。
こんな彩度の強い服装はダメですね。風情台無し。反省しています。



石畳の階段はやはりこうでなくてはいけません。
高さに対して奥行きは3倍以上。
こうすることで面が見え、繋がりのある階段となるのです。


大曽根の滝(おおぞねのたき)
この滝の背後の山は徳川園の中でも最も高く、龍仙湖水面との標高差は約11mあるそうです。


龍門の滝(りゅうもんのたき)
龍門瀑ともいわれ、鯉が滝を登り切って竜となったという登竜門伝説に基づく滝の一形式です。
なるほど、登竜門。いい言葉です。



徳川園を愛でるのに2時間弱かかりました。(それほどに広い)
疲れたので一服です。
黒門口の横にあります、観仙楼(かんせんろう)。
龍仙湖に面する二層の建物で、眺望抜群。レストラン、ホール、ショップとして利用できます。
私はその中にある「蘇山荘」という喫茶店にて一服させて頂きました。

蘇山荘にて、おビール。
枯山水を愛でながらのおビール。
クリーミーな泡でございました。


こんな感じで徳川園を愛でて参りました。

徳川園の横には徳川美術館がございます。
徳川園の後に美術館も行きますよ、という方は徳川園の入場料金が半額になります!
時間もあったので行って来ました。館内はほぼ撮影禁止。徳川家の貴重な重宝、いわゆる「大名道具」がたくさんありました。

2012年9月29日土曜日

徳川園(愛知県名古屋市)について(予習)

急遽、個人活動として愛でることにしました。

公式サイト

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尾張徳川家の邸宅を起源とする庭園公園!

都会の真ん中にある、落ち着いたたたずまいの日本庭園。
海に見立てた池を中心に、見どころをぐるりと巡る池泉回遊式の日本庭園である。
江戸時代の主だった大名庭園もこの様式。
清流が滝から渓谷を下り海に見立てた池へと流れるありさまは、日本の自然景観を象徴的に凝縮している。
さらに徳川園は、高低差の大きな地形、既存のまま取り入れた樹林、立体的に迫る大きな岩組みが特徴。
変化に富んだ景観を大胆に切り替える構成を用いて大名庭園の「荘厳さ」を大観できるようにしている。
新緑や紅葉、牡丹や花菖蒲の花々など四季を通じて楽しめる。

徳川園の地は尾張徳川家第二代光友が拓いて別荘を営んだ地であった。光友の諡號は瑞龍院と言う。
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最寄り駅のJRまたは名城線の大曽根駅から徒歩15分。まぁまぁ歩く必要があるらしい。

これを書いている今、実は徳川園の近くの喫茶店にいます。
この記事をpublishしたら、私は向かいます。

枯山水とは違った魅力で、頭と胸の中が一気に開放されるかのような気持ちになれる池泉回遊式庭園。

2012年9月28日金曜日

10.6、京都で愛でるべし。

急遽、10.6に京都でどこかを愛でようと思います。

どこを愛でるのか・・・・

一箇所だけを徹底的に愛でたい気分です。
紅葉MAXの季節なら嵐山の方へ行きたいですが、もう少し早いかと。

とは言いましても、紅葉直前の嵐山からの紅葉の嵐山。
悪くないかと。

とは言いましても、小生、実はまだ清水寺に行ったことがないのです。
ここは是非清水寺に行くとうのもいいのかと。

桜の季節でもなく、紅葉にもまだ少し早い。
この時期に行こうとしております小生に対してご意見がアドバイスがありましたら厳しい一言をお願いしたく思ひます。

◎心◎

2012年9月26日水曜日

桂離宮の予約画面を見て感動した。

桂離宮アタックが失敗に終わった残暑の9月末。
庭サークルの活動から帰ってきて早速「桂離宮」の予約画面をチェックした。

桂離宮は3ヶ月前から予約ができる。
毎月1日に、3ヶ月後の予約が解禁される。
9/26現在、当たり前だが12月末まで予約はびっしりと埋まっていた。

素晴らしい。
予約画面にアクセスした時点で気持ちが7割当たりまで上がりきっている状況。
予約が取れた時点で9割5分5厘までは軽くいくだろう。

2013年の1月に桂離宮に行くには、10月に入った瞬間の予約は必須と思われる。
残り1週間で庭サークルのメンバーの予定を合わせていく必要がある。

さぁ、いつ、愛でましょうか。



と、ここで前回の活動時の名言を残しておきます。



苔寺手前のそば屋「元祖苔乃茶屋」さんのお姉さん『もしかして・・・皆様、庭師のお方ですか?

庭サークル枯山水の男1『いいえ、違います。それを生業にすると、苦しみが生まれてしまいます。我々は、ただ、愛でるだけです。


◎心◎



2012年9月24日月曜日

[サークル活動] 西芳寺(苔寺)(2012/09/24)

この日愛でたのは、念願の西芳寺。通称、苔寺。
往復はがきで事前予約をしてから半月強、ようやくこの日が来た。

持参するものは細筆。
写経をするためだ。
字の下手な者はホテルチェックアウト前にボールペンでウォーミングアップをした。

そして驚くのが、参観には3000円が必要だということだ。
他の寺院の参観とはまるで別格。
しかし、その3000円という金額が余りにも安いということをこの後三人は知ることとなる。

三人は一時間ほど前に西芳寺(苔寺)に到着し、門が開かれるまで、近くのうどん・そば屋さんで腹ごしらえをすることにした。
苔に見立てた青のりがとろろに上に乗り、卵がちょぼん。最高の昼飯。
お会計をテーブルで済ませて席を立つ時、三人の立ち姿振る舞い声色目付き顔付き筆の持参膨大な情報を詰め込んだiPad風貌会話の質、何がそう思わせたのかは謎だが確実に背後から店員さんの「流石」という単語が耳に刺さった。

間違いなく三人は、流石だった。
間違いなく三人は、この日苔寺参観した人たちの中で一番流石だった。
この時三人はまだ知らない。
愛でた後にもう一度この店に顔を出した時、店員さんに「あの・・・庭師のお方なのですか?」と聞かれることを。

五分前に苔寺の入り口に到着すると、門は既に開かれていた。
本堂に案内され、読経が始まるまでの時間に写経を始める。
そして読経が始まり、また写経を再開。

「心良く、品良く」を心願とする最も写経が速い男。
最も遅いが丁寧で、でも後半追い上げる男。
無難に二人の間のペースで書きつつ、後半上げていく男。

写経が終わった者から、庭を愛でる。
庭に入った瞬間(もしくは入る前から)、足が進まない。。
苔の絨毯が一面に広がる。
計算し尽くされた隆起。同じ池泉回遊式庭園でもあっても今までに見たことのない散策道のウネリ。
この先の道の行方がどちらに向かっているのかがわからない絶妙な高低差の計算がなされている。
コケ絨毯という大変管理の難しい庭にもかかわらず、行き届いている。
ホソバオキナゴケが生き生きしている。
俺はここに居られて幸せだ。全ての苔がそんな意識を放っていた。

唯一の欠点は、こんなに完璧な庭園を見てしまったことによる、今後の庭園参観のに対する不安だ。
ここよりも感動させてくれる所はあるのか。。。

三人は大きなモノを手に入れ、苔寺を後にした。

三人は先ほどのそば屋により、店員さんから言われる運命であったある言葉を頂き、来た時よりも美しい姿勢でそれぞれの家へと帰ったのであった。

 
西芳寺 朝日ヶ島

西芳寺 苔(ホソバオキナゴケ)

西芳寺 潭北亭からの眺め

[サークル活動] 龍安寺、大徳寺(大仙院)(2012/09/23)

今回の庭サークルの活動内容は、「京都のどこかの枯山水と西芳寺(苔寺)を愛でる」だった。
今回の参加者は3人。

午前11時、3人は三条の鴨川が望めるカフェに集合した。つまり、スタバに集合した。
しかし、二日目の苔寺の参観の予定は決まっていたが、一日目の予定は・・・未定だった。
カフェでの枯山水ミーティングで、この日宮崎から来た男がある提案をした。
それは、「桂離宮を愛でる」。

桂離宮は苔寺のと同じように、事前予約が必要な所だ。
三ヶ月前から予約が始まる。毎月頭に三ヶ月後の予約受付が解禁されると直ぐに埋まってしまう。
それが「桂離宮」だ。

予約は京都御苑内にある宮内庁京都事務所参観係でできる。
その人気ぶりから、前日に行って翌日の予約をすることなどまず不可能だろう。
しかし、二日目に桂離宮を参観するべく、事務所にアタックすることになった。

桂離宮アタック。

京都御苑に到着し、宮内庁京都事務所を探し歩く。
あった。
人気が、無い。凄い。空気が澄みすぎていて人気さえ感じさせない。
いや、人気が・・・無い。
まさかの、休業日。
土日は休みだった。。。

桂離宮アタックに失敗した三人は龍安寺を愛でることに決め、早速向かった。

無料サービスの香葉茶を飲み、その旨みに絶賛し、そして、龍安寺に向かって敷地を歩いた。
前日は雨。当日も朝方は小雨だった京都。苔が生き生きしている。深い緑の光を放つ苔に目を奪われすぎて龍安寺に入るまでに30分ほどかかるという庭サー「枯山水」にありがちなことをやってしまった。

遂に龍安寺に入る。
そして、遂に、「ロック・ガーデン」の名で国際的にも知られる枯山水庭園「虎の子渡しの庭」を愛でた。
15の石。
縁側からは同時に15の石を見ることが出来ないというもの。
それを完全ではないと捉え、つまり衰退を知らないと解釈する。(という考え方もある)
そして、見たかったつくばい(のレプリカ)。
(本物は茶室の手前にある。茶室の前には手を洗う場所が必ずある。龍安寺のそれは手を洗うのに這いつくばる必要があることから、「つくばい」という。)

「吾唯足知(われただたることをしる)」

今宵の宴会のため、つくばいの形をした栓抜きをこっそり買った男がいた。

そして、龍安寺の敷地面積の半分を占める鏡容池を回遊して、龍安寺という宇宙を後にした。

続いて向かったのは、前回時間切れで参観できなかった大徳寺の高桐院。
しかし、高桐院の前に大仙院を愛でようということになり、高桐院は後回しとなった。

大仙院は撮影不可。
撮影不可なので自分の目を隅々まで走らせ、映像と解説を脳に刻む。
豊臣秀吉と千利休がお茶をした茶室。
豊臣秀吉が眺めて感動した枯山水庭園。
うぐいす張りの廊下。(現代で言う・・・セコムです!)
庭は反時計回りで進むにつれて石がなくなっていく。石は煩悩を表すと考えられ、最後には煩悩が消えて悟りを開くことが出来ると考えられる。
しかし、最後の庭には石こそないものの、おっぱいを思わす大きな砂山が二つ。それを見て、おっぱいを連想してしまい、煩悩が現れたなら、もう一周回ればよい。
それが、大仙院。

何代目かの住職さんが書いたと言われる掛け軸がいくつかあった。

まずは、「気心腹人己」
この文字を独特な書き方により次のように表している。
「気は長く、心は丸く、腹は立てず、人は大きく、己は小さく。」

それから、
※※※※※※※※※※※

心は  行動となり
行動は 習癖を生む
習癖は 品性を作り
品性は 運命を決する
※※※※※※※※※※※
この言葉には感動した三人。

しかし、この後、高桐院に行った三人は門の閉まっているのを確認し、綺麗な歩き方で大徳寺を後にした。

そして明日は西芳寺(苔寺)。
三人は京都の夜を楽しみ、そして眠りについた。

2012年9月23日日曜日

龍安寺を愛でるための予習

【世界遺産】【重要文化財】【史跡】【名勝】

世界からファンが訪れる「ロックガーデン」。謎の多い庭石の15の石に注目!

宝徳2年(1450)、室町幕府の管領・細川勝元が妙心寺の義天玄承(ぎてんげんしょう)を迎えて創建した。
臨済宗妙心寺派の寺院。境内のあちこちに禅の心が生きている。
「ロック・ガーデン」の名で国際的にも知られる枯山水庭園「虎の子渡しの庭」のほか、つくばい(レプリカ)や敷地の半分を占める鏡容池(きょうようち)など、見逃せないスポットが多い。
池周りは散策ができる。

鏡容池は「おしどり池」とも呼ばれる。

「虎の子渡しの庭」は、作庭年代・作者ともに不詳と言われる。庭に配置された15の石はどの角度からでも一度に見ることができないようになっている。
全体像は、石庭の横にある模型のミニ石庭を見てみるとよい。

禅の格言である「吾唯足知(われただたることをしる)」を図案化した龍安寺方丈のつくばい(複製)がある。




大きな地図で見る

2012年9月22日土曜日

西芳寺(苔寺)を愛でるための予習


西芳寺(さいほうじ)
通称:苔寺(こけでら)

京都市西京区松尾神ヶ谷町(じんがたにちょう)(京都バス「苔寺」下車すぐ)

【成り立ち】
奈良時代、行基の開創と伝えられる古刹で、暦応2年(1339年)に造園にすぐれた夢窓国師が復興した。臨済宗の寺院となった。

【見所】
約120種の苔が境内を覆い、緑のじゅうたんを敷きつめたような美しさから苔寺とも呼ばれる。
庭園(史跡・特別名勝)は、上下二段構え。上の枯山水と、下は池泉回遊式で黄金池は「心」の字を描いている。
庭園内の茶室・湘南亭は、重要文化財に指定されている。




・拝観の際は、庭園参観の前に読経や写経などの宗教行事に参加する。
・庭園は、国の史跡・特別名勝に指定されている。
・前日や当日に雨が降っていれば、それはラッキーでもある。苔が生き生きとしている様子を感じましょう。

※拝観は事前予約が必要。往復はがきで一週間前までに申し込みが必要。

2012年9月9日日曜日

[個人活動 9/9]清澄庭園を愛でた

東京都に観光に行ったついでに、回遊式庭園である「清澄庭園」を愛でてきた。
庭の真ん中に大きな池があり、その周りを回遊して楽しむ形式です。

11時少し前に公園に到着しました。
ちょうど11時から、ボランティアさんによるガイドツアーが行われるとのことでしたので参加しました。
15名ほどが参加していました。
おじさんやおばさんが大多数で、28歳の私が最年少だったのではないでしょうか。

枯山水にハマっている私でしたが、大きな池のある公園もなかなか心に響きました。
池には亀、鯉、鴨がいました。
大きなすっぽんもいました。

ガイドさんに解説してもらいながら回遊しましたが、知識が頭に入ることで益々その公園の魅力を感じてゆきます。
解説を聞きながらゆっくり1時間ほど愛でました。

個人的には貸切ができる涼亭が気に入りました。
あの素晴らしい景色を貸切で楽しむことができるなんて、知らないと損です。
いつか、あの涼亭で仲間と宴会でもしたいものです。
 

清澄庭園

清澄庭園(パノラマ写真)

清澄庭園の鴨

清澄庭園の亀と鴨

2012年9月2日日曜日

[サークル活動] 初めての活動、大徳寺(京都)(2012/09/02)

3人の男は朝10時にホテル前のバス停に集合した。

そしてバスに乗り河原町三条に行った。
三条大橋まで歩き、スタバでモーニングをとった。

iPadを駆使し、枯山水について調べては興奮して雄叫びに近い声を漏らしていた。

スタバでモーニングをとったとは言ったが、実際は空腹の胃にコーヒーを流し込んだだけだった。

スタバを出た3人は昼食を決めるためにじゃんけんをした。
蕎麦か、とんかつか、イタリアンビュッフェか。
イタリアンビュッフェに決まった。
横に清らかな川が流れる最高のテラス席だった。
この店は、オービーだった。
つまり、オールビュッフェだった。

テラス席が最高過ぎたのと、ガラスの向こう側の店内席に若い女性が居たのが原因で3人は長居をしてしまった。
今日はずっとここに居てもいいぞ、と思っている者も実は居た。

「とは言いましても、実は、これは、白紙でして・・・」

前日の結婚披露宴二次会での新郎のカッコ良すぎる演出を真似るも者が続出した。
しかし、誰一人格好つくものはいなかった。

3人は重い腰を上げた。
目的地が決まったのだ。
彼らはタクシーに乗り込み、「大徳寺」を目指した。

大徳寺に到着した3人はまず、龍源院(りょうげんいん)を目指した。
龍源院に入った彼らは、声を失った。

大徳寺 龍源院の枯山水

そこには、疑いの余地もなく、宇宙があった。

角を曲がるたびに漏れる溜息。
日本人が作った、日本人の身長でしか味わえない絶妙な庭設計。
腰掛ければ、また一味違う宇宙。

縁に立てば、空生かし。
数歩下がって、空切り。
座を組めば再び、空生かし。

数百年前の誰かが創造したものを、数百年たった今の日本人が観る。
誰かの頭中にあった宇宙が、庭という宇宙の形で残されている。

風流。

風流。。。

フーーリューーー。

大徳寺に到着してまだ10分。
残り時間はもう20分しか残されてなかった。
宮崎へ帰らなければならない男の飛行機の時間が迫っていた。

大徳寺でもう一つ見ておきたいものがあった。高桐院(こうとういん)だ。
秋の紅葉の季節になると、敷石の参道は散り紅葉によるレッドカーペットになる。その美しさはあまりにも有名だという。

この時は生憎、残暑の時期だった。
しかしそこは名勝。
やはりどの季節でも魅せてくれる。

門で切り取られた、まるで竹林の絵画。
門を抜けると永遠の広がりを思わせる竹林の濃淡。
そして、見事な苔の中に伸びる敷石の参道・・・。

しかし、既に3人に残された時間は無かった。
高桐院には入らずに、この日は大徳寺を後にした。。。必ずまた高桐院に来ることを誓いながら。

もうすぐ宮崎への飛行機が出る。
タクシーを捕まえて京都駅まで飛ばしてもらう。
京都駅から伊丹空港まではシャトルバスが運行されている。
次は苔寺(西芳寺)に行く事を約束し、宮崎の男はフライトにギリギリ間に合う最後のシャトルバスになんとか乗車することができた。男は安堵していた。

しかし、この時男は大きなミスを犯していた。
本当に行くべき空港は。。。関空だったのだ。
庭という宇宙はこれほど人間の思考回路に影響を与えるものなのだと感じた瞬間だった。

こうしてサークルとしての初めての活動は終わった。

宮崎の男は、帰宅後すぐに苔寺の予約の手配をしたのだった。
(※苔寺は往復はがきによる予約が必要。常に約1ヶ月待ち。)


2012年9月1日土曜日

庭サークル『枯山水』の結成。

2012/9/1、庭の美しい京都のとある場所に、全国各地から老若男女が集った。
ある卑猥な男と女の結婚披露宴パーティが行われたためだ。

そこには、福岡、石川、そして名古屋からやって来た3人の男がいた。
平凡で冴えない、これまた卑猥な男達だ。

披露宴中、3人の男は別々のテーブルに座り、卑猥な祝辞、卑猥な乾杯の挨拶、そして卑猥な新郎の挨拶を聞いていた。

こんなに卑猥な男達が集まり、そして卑猥な事ばかり行われているのに、なぜか会場は清澄な空気に保たれていた。
まるでこの空気を侵すことは不可能だという絶対的な何かがそこにはあった。


なぜだろう。。。


3人の男は同じ事を考えていたのだろう。


そして、離れた場所から3人は同じ方向を見ていた。


そこには会場の大きな窓の奥に小さな枯山水の庭があった。。。



卑猥な、しかし清澄な空気に包まれた結婚披露宴はお開きし、
3人はその後、披露宴二次会に出席した。
そこで初めて言葉を交わした3人。。。

彼らを打ち解けさせるのに時間は必要なかった。
二次会がお開きする頃、庭サークル『枯山水』は結成されていた。


初めての活動はいつ?
もちろん、翌日の9/2だ。


3人は翌朝10時に宿泊したホテル下に集合することを約束し、眠りについた。