2012年9月24日月曜日

[サークル活動] 西芳寺(苔寺)(2012/09/24)

この日愛でたのは、念願の西芳寺。通称、苔寺。
往復はがきで事前予約をしてから半月強、ようやくこの日が来た。

持参するものは細筆。
写経をするためだ。
字の下手な者はホテルチェックアウト前にボールペンでウォーミングアップをした。

そして驚くのが、参観には3000円が必要だということだ。
他の寺院の参観とはまるで別格。
しかし、その3000円という金額が余りにも安いということをこの後三人は知ることとなる。

三人は一時間ほど前に西芳寺(苔寺)に到着し、門が開かれるまで、近くのうどん・そば屋さんで腹ごしらえをすることにした。
苔に見立てた青のりがとろろに上に乗り、卵がちょぼん。最高の昼飯。
お会計をテーブルで済ませて席を立つ時、三人の立ち姿振る舞い声色目付き顔付き筆の持参膨大な情報を詰め込んだiPad風貌会話の質、何がそう思わせたのかは謎だが確実に背後から店員さんの「流石」という単語が耳に刺さった。

間違いなく三人は、流石だった。
間違いなく三人は、この日苔寺参観した人たちの中で一番流石だった。
この時三人はまだ知らない。
愛でた後にもう一度この店に顔を出した時、店員さんに「あの・・・庭師のお方なのですか?」と聞かれることを。

五分前に苔寺の入り口に到着すると、門は既に開かれていた。
本堂に案内され、読経が始まるまでの時間に写経を始める。
そして読経が始まり、また写経を再開。

「心良く、品良く」を心願とする最も写経が速い男。
最も遅いが丁寧で、でも後半追い上げる男。
無難に二人の間のペースで書きつつ、後半上げていく男。

写経が終わった者から、庭を愛でる。
庭に入った瞬間(もしくは入る前から)、足が進まない。。
苔の絨毯が一面に広がる。
計算し尽くされた隆起。同じ池泉回遊式庭園でもあっても今までに見たことのない散策道のウネリ。
この先の道の行方がどちらに向かっているのかがわからない絶妙な高低差の計算がなされている。
コケ絨毯という大変管理の難しい庭にもかかわらず、行き届いている。
ホソバオキナゴケが生き生きしている。
俺はここに居られて幸せだ。全ての苔がそんな意識を放っていた。

唯一の欠点は、こんなに完璧な庭園を見てしまったことによる、今後の庭園参観のに対する不安だ。
ここよりも感動させてくれる所はあるのか。。。

三人は大きなモノを手に入れ、苔寺を後にした。

三人は先ほどのそば屋により、店員さんから言われる運命であったある言葉を頂き、来た時よりも美しい姿勢でそれぞれの家へと帰ったのであった。

 
西芳寺 朝日ヶ島

西芳寺 苔(ホソバオキナゴケ)

西芳寺 潭北亭からの眺め

0 件のコメント:

コメントを投稿